大麦とは?栄養・効果・もち麦や押し麦との違いを解説【雑穀図鑑】

大麦(おおむぎ)とは、イネ科オオムギ属の穀物で、押し麦・もち麦・丸麦などに加工されて食べられる、日本で最も身近な「麦」です。最大の特徴は水溶性食物繊維 β-グルカン を豊富に含むこと。食物繊維の総量は白米の20倍以上にのぼります。
この記事では、大麦の種類(押し麦・もち麦・丸麦の違い)、白米との栄養比較、期待できる働きと注意点、麦ごはんの割合・炊き方までを解説します。
この記事のポイント
- 大麦は「押し麦」「もち麦」「丸麦」など加工・品種によって呼び名が変わる
- 食物繊維は白米の約24倍。特に水溶性のβ-グルカンが多いのが他の穀物にない強み
- 麦ごはんは白米2合+大麦50g+水100mlを足すだけ。浸水不要で始めやすい
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大麦とは(基本情報)

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | イネ科オオムギ属 |
| 学名 | Hordeum vulgare |
| 英名 | barley |
| 原産地 | 西アジア〜中央アジア(約1万年前に栽培化) |
| 日本の主産地 | 六条大麦(押麦・麦茶用)は福井県・富山県、二条大麦(ビール用)は佐賀県・栃木県が主産地 |
| グルテン | グルテンそのものは形成しないが、類縁たんぱく(ホルデイン)を含む。セリアック病の方は摂取不可 |
大麦は小麦と並んで人類が最も早く栽培化した穀物のひとつで、日本には弥生時代に伝来したとされます。奈良時代にはすでに主要な作物として記録され、戦後まで麦ごはんとして主食の一角を担ってきました。ビール・麦茶・味噌(麦味噌)の原料でもあり、日本の食文化との接点が非常に多い穀物です。
押し麦・もち麦・丸麦の違い
大麦は「品種(うるち性/もち性)」と「加工方法」の組み合わせで呼び名が変わります。
| 名称 | 品種・加工 | 食感 | 向く料理 |
|---|---|---|---|
| 押し麦 | うるち性大麦を蒸してローラーで平たく加工 | あっさり・プチプチ | 麦ごはん、スープ |
| もち麦 | もち性大麦を精麦 | もちもち・弾力あり | 麦ごはん、サラダ |
| 丸麦 | 外皮を削っただけの粒のまま | 歯ごたえしっかり | 煮込み、リゾット |
| 米粒麦 | 米粒大に加工し比重を米に近づけたもの | 米になじむ | 麦ごはん(麦が苦手な人向け) |
もち麦と押し麦のより詳しい比較(食物繊維量・カロリー・使い分け)は、今後それぞれの個別ページで解説予定です。
大麦の栄養成分|白米との比較表
大麦(押麦)100gあたりの主な栄養成分を、精白米と比較しました。
| 成分(100gあたり・乾燥) | 大麦(押麦) | 精白米(うるち米) |
|---|---|---|
| エネルギー | 329 kcal | 342 kcal |
| たんぱく質 | 6.7 g | 6.1 g |
| 脂質 | 1.5 g | 0.9 g |
| 炭水化物 | 78.3 g | 77.6 g |
| 食物繊維総量 | 12.2 g | 0.5 g |
| 鉄 | 1.1 mg | 0.8 mg |
| カルシウム | 21 mg | 5 mg |
| マグネシウム | 40 mg | 23 mg |
| ビタミンB1 | 0.11 mg | 0.08 mg |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
※数値は同表の押麦・精白米(うるち米)で照合済み(2026年7月)。
最大の特徴は食物繊維で、白米の約24倍(12.2g vs 0.5g)。しかもその多くが、穀物では珍しい水溶性食物繊維(β-グルカン)です。エネルギーは白米よりわずかに低く、置き換えてもカロリーが増えない点も取り入れやすさにつながっています。
大麦に期待できる効果・注目成分
(以下は栄養成分の一般的な働きの紹介であり、疾病の治療・予防効果を保証するものではありません)
β-グルカン|糖の吸収を緩やかにする水溶性食物繊維
大麦のβ-グルカンは粘性のある水溶性食物繊維で、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることや、血中コレステロールを低下させることが報告されています。この働きから、大麦β-グルカンを関与成分とする機能性表示食品も多く販売されています。(消費者庁 機能性表示食品の届出情報検索)
不溶性食物繊維|腸のはたらきをサポート
水溶性だけでなく不溶性食物繊維も含み、便のかさを増やして腸の動きを促します。水溶性・不溶性の両方を一度に摂れるのが大麦の強みです。
ビタミンB1・ミネラル
白米より多いビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える代謝に関わる栄養素です。カルシウム・マグネシウムも白米の数倍を含みます。
大麦のデメリット・注意点
グルテン関連疾患の方は食べられない
大麦は小麦のグルテンと類縁のたんぱく質(ホルデイン)を含むため、セリアック病や小麦関連のアレルギーがある方は摂取を避ける必要があります。グルテンフリーの雑穀を探している場合は、キヌアやソルガムが選択肢になります。
食べ過ぎるとお腹がゆるくなることがある
食物繊維が多いため、一度に大量に食べるとお腹が張ったりゆるくなったりする場合があります。初めては白米に1〜2割混ぜる程度から始め、体調を見ながら量を調整してください。
消化に時間がかかる
粒がしっかりしている丸麦などは、胃腸が弱っているときには負担になることがあります。体調が優れないときは押し麦をやわらかめに炊くのがおすすめです。
大麦の基本の炊き方(麦ごはんの割合)
| 項目 | 分量・時間 |
|---|---|
| 白米 | 2合(通常の水加減) |
| 大麦(押し麦・もち麦) | 50g(約大さじ3〜4) |
| 追加する水 | 100ml(大麦の重量の約2倍) |
| 浸水 | 不要(丸麦のみ30分〜1時間) |
- 白米を研ぎ、通常の水加減にする
- 大麦50gと水100mlを追加する(大麦は洗わなくてよい製品が多い。袋の表示に従う)
- 軽く混ぜて炊飯する
大麦のおすすめの食べ方
- 麦ごはん:基本の食べ方。カレーやとろろとの相性は定番
- スープ・ミネストローネ:茹でた大麦を加えるとプチプチ食感で満足感が出る
- サラダ:茹でて冷やした大麦を豆や野菜と和える。作り置きにも向く
雑穀ごはん全般の炊き方・配合の考え方は雑穀の炊き方・調理法で詳しく解説しています。
大麦の選び方・保存方法
- 初めてなら押し麦か米粒麦、もちもち食感が好きならもち麦を選ぶ
- 未開封は直射日光を避けた常温で保存可(賞味期限は袋の表示に従う)
- 開封後は密閉容器に移し、冷蔵庫または冷暗所へ。夏場は虫害防止のため冷蔵推奨
- 長期保存は密閉のうえ冷凍も可能
大麦のよくある質問(FAQ)
Q. 押し麦ともち麦はどちらが体にいい?
A. どちらもβ-グルカンを含みますが、一般にもち麦の方が食物繊維量は多いとされます。あっさり食べたいなら押し麦、食感と繊維量重視ならもち麦、と好みで選んで問題ありません。
Q. 大麦と小麦の違いは?
A. 同じイネ科ですが別属の植物です。大麦は粒のまま食べる・麦茶・ビールに、小麦は粉にしてパン・麺に使われます。栄養面では大麦の方が食物繊維が多いのが特徴です。
Q. 麦ごはんは毎日食べても大丈夫?
A. 主食の一部として適量(白米に1〜3割)を混ぜる分には問題ありません。お腹がゆるくなる場合は割合を減らしてください。
Q. 大麦はグルテンフリー?
A. いいえ。グルテン類縁のたんぱく質を含むため、グルテンフリーには該当しません。セリアック病の方は避けてください。
Q. 麦茶と大麦は同じもの?
A. 麦茶は大麦(主に六条大麦)を焙煎して煮出した飲み物です。原料は同じ大麦ですが、粒として食べる場合の栄養(食物繊維など)は麦茶ではほとんど摂れません。
まとめ|大麦は「食物繊維の王様」的な身近な雑穀
大麦は白米の約24倍の食物繊維と、穀物では希少な水溶性のβ-グルカンを併せ持つ、雑穀の入門にも継続にも向いた穀物です。押し麦なら浸水不要で今日から麦ごはんが炊けます。まずは白米2合+50gから試してみてください。
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