はと麦とは?栄養や効果を解説
美容や健康に良い雑穀として人気の高いのが はと麦 です。
白く大粒の穀物で、雑穀米として食べられるほか、お茶や漢方薬にも利用されてきました。
特に漢方では「ヨクイニン」と呼ばれ、肌荒れ改善やむくみ対策に用いられてきた歴史があります。
最近では「美肌をサポートする雑穀」として注目され、健康志向や美容意識の高い人を中心に人気が広がっています。
ご飯に混ぜて炊くだけでなく、お茶やスープ、デザートなど幅広い活用ができる点も魅力です。
「はと麦とは何か?」「白米と比べて栄養価はどうなの?」「どんな効果が期待できるの?」と気になる方に向けて、この記事でははと麦の基本情報から栄養素、特徴や効果、食べ方までを詳しく解説します。
はと麦とは?
はと麦は、イネ科ジュズダマ属の一年草で、学名は Coix lacryma-jobi var. ma-yuen。
中国や東南アジアを原産とし、日本でも古くから栽培されてきました。
粒は白っぽく大粒で、雑穀の中では存在感がある見た目をしています。
炊くともちもちとした食感が楽しめ、香ばしい風味が広がります。
また、はと麦は食用としてだけでなく薬用としても古来から利用され、特に漢方では「ヨクイニン」と呼ばれ、美肌やむくみ対策に使われてきました。
現在では、雑穀米や薬膳料理の材料としてのほか、香ばしい味わいが特徴の「はと麦茶」としても親しまれています。
美容や健康を意識する人々にとって、日常的に取り入れやすい万能雑穀といえるでしょう。
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はと麦の栄養(白米との比較)
はと麦は、白米と同じく炭水化物を主成分としながらも、たんぱく質・食物繊維・カリウム・マグネシウム などを豊富に含むのが特徴です。
美容や健康維持に欠かせない栄養素が多く、特に肌の調子を整える栄養素が注目されています。
また、漢方の原料「ヨクイニン」としても知られるように、体内の余分な水分を排出する作用が期待されることから、むくみや肌荒れが気になる人に選ばれてきました。
栄養成分(100gあたり)
栄養素 | はと麦 | 白米 | 白米比 |
---|---|---|---|
エネルギー | 約360kcal | 356kcal | 1.0倍 |
たんぱく質 | 13.3g | 6.1g | 約2.2倍 |
脂質 | 4.0g | 0.9g | 約4.4倍 |
炭水化物 | 72g | 77g | 0.9倍 |
食物繊維 | 6.7g | 0.5g | 約13倍 |
カリウム | 320mg | 89mg | 約3.6倍 |
マグネシウム | 130mg | 23mg | 約5.6倍 |
鉄 | 1.3mg | 0.8mg | 約1.6倍 |
ビタミンB1 | 0.24mg | 0.08mg | 約3倍 |
ビタミンB2 | 0.16mg | 0.02mg | 約8倍 |
白米と比べると、はと麦は たんぱく質・食物繊維・ミネラル類 に優れていることがわかります。特にたんぱく質は白米の約2倍以上、食物繊維は約13倍と圧倒的です。
レーダーチャートでの比較
白米を基準(100)としたレーダーチャートでは、「たんぱく質」「食物繊維」「カリウム」「マグネシウム」の数値が大きく伸び、日常の食事にプラスするだけで栄養バランスを大きく改善できることが分かります。
はと麦の特徴や効果
はと麦は、古くから薬用・食用の両面で利用されてきた雑穀で、特に「美容や健康を支える雑穀」として注目されています。
白米には少ないたんぱく質やミネラル、食物繊維を豊富に含み、体の内側から整えるサポートをしてくれます。ここでは、代表的な特徴と効果を紹介します。
(※以下は栄養成分の一般的な働きを紹介するもので、医薬品の効能を保証するものではありません)
美肌サポート(ヨクイニンとしての働き)
はと麦は漢方で「ヨクイニン」と呼ばれ、肌荒れやいぼの改善に使われてきました。
これは、体内の余分な水分を排出し、新陳代謝を促す働きがあるためとされています。
食事から取り入れることで、日常的に肌の調子を整えるサポートが期待できます。
むくみやデトックスに役立つ
はと麦には利尿作用があるとされ、体内の余分な水分や老廃物を排出するのを助けます。
そのため、むくみが気になる人やデトックスを意識する人におすすめの雑穀です。
高たんぱくで健康的な体づくりをサポート
白米の約2倍以上のたんぱく質を含むはと麦は、筋肉や肌、髪など体の材料を作るのに役立ちます。
植物性食品でありながら良質なたんぱく質を摂れるため、健康的な体づくりや美容の維持に向いています。
食物繊維で腸内環境を整える
はと麦は白米の約13倍もの食物繊維を含んでおり、便通改善や腸内環境を整えるのに役立ちます。
腸活を意識する人や便秘に悩む人に適した食品です。
ミネラルで日常の栄養バランスをサポート
マグネシウムやカリウムなどのミネラルも豊富で、エネルギー代謝や血圧調整、疲労回復を支える働きがあります。
日々の食生活に不足しがちな栄養素を補えるのも魅力です。
はと麦の食べ方やレシピ例
はと麦は粒が大きく存在感があるため、雑穀米として食べるだけでなく、スープやお茶、スイーツなど幅広く活用できるのが特徴です。
香ばしくもちもちとした食感を楽しめるので、日常の食事に取り入れやすい雑穀です。
ご飯に混ぜて炊く(基本の食べ方)
白米と一緒に炊くのがもっとも一般的な食べ方です。
- 基本の割合:白米2合に対して大さじ1〜2杯のはと麦
- 調理ポイント:はと麦は粒が硬めなので、炊く前に30分〜1時間ほど浸水させてから炊くとふっくら仕上がります。
炊き上がりはもちもちした食感で、白い粒が混ざることで見た目にもアクセントが加わります。
はと麦茶として飲む
炒ったはと麦を煮出した「はと麦茶」は、香ばしく飲みやすいノンカフェイン飲料です。
夏は冷やして、冬はホットで楽しめます。利尿作用が期待されることから、むくみ対策やデトックス目的で取り入れる人も多いです。
スープやリゾットに
茹でたはと麦をスープに加えると、ぷちぷち・もちもちとした食感がアクセントになります。
ミネストローネやチキンスープ、リゾットなどに加えると満足感が増し、栄養価もアップします。
サラダにトッピング
茹でたはと麦を冷まして、サラダに加えるのもおすすめです。
ひよこ豆やレンズ豆と組み合わせれば、ボリュームのある雑穀サラダになります。
デザートや薬膳料理に
薬膳では、はと麦を甘く煮てデザートにしたり、スープに加えたりするのが一般的です。
小豆と一緒に煮た「はと麦小豆粥」は、体を温めつつ美容と健康をサポートする伝統的な食べ方です。
はと麦はどんな人におすすめ?
はと麦は、栄養価が高く美容や健康をサポートする雑穀です。
白米に比べてたんぱく質・食物繊維・ミネラルが豊富で、さらに漢方的な利用もされてきたため、次のような人に特におすすめできます。
美容や肌の調子が気になる人
はと麦は漢方で「ヨクイニン」と呼ばれ、肌荒れやいぼの改善に使われてきました。
食事から取り入れることで、日常的に肌の調子を整えるサポートが期待できます。
むくみやすい人、デトックスを意識する人
利尿作用があるとされ、体内の余分な水分や老廃物の排出を助けるため、むくみやすい人やデトックスを意識している人におすすめです。
健康的にダイエットしたい人
食物繊維が白米の約13倍と豊富で、腸内環境を整え、満腹感を持続させる働きがあります。
低カロリーで栄養価も高いため、ダイエット中の栄養補給に向いています。
疲れやすい人やストレスが多い人
マグネシウムやビタミンB群を含むため、エネルギー代謝や神経の働きをサポートします。
疲労感が抜けにくい人やストレスを抱えやすい人にとって、日常の体調維持を助ける食品です。
カフェインレスのお茶を探している人
はと麦茶はノンカフェインで香ばしい味わいが特徴。
妊婦や授乳中の方、小さな子どもから高齢者まで安心して飲める飲料として人気があります。
はと麦のQ&A
はと麦を取り入れる際に多くの人が抱く疑問をまとめました。
美容や健康のために安心して活用できるよう、基本的な知識を押さえておきましょう。
Q. はと麦とヨクイニンの違いは?
A. はと麦=穀物そのもの を指し、食品やお茶として利用されます。
一方、ヨクイニン=はと麦の種皮を取り除いた子実を乾燥させた生薬 を指し、漢方薬として肌荒れやいぼの改善に用いられます。
どちらも同じ植物が原料ですが、用途が異なります。
Q. 妊婦が食べても大丈夫?
A. はと麦は食品として少量を食べる分には一般的に問題ないとされています。
ただし、ヨクイニン(生薬)には子宮収縮を促す可能性が指摘されるため、妊娠中に大量摂取するのは避けたほうが安心です。
妊娠中に取り入れる場合は、医師や助産師に相談すると安心です。
Q. はと麦茶と食用のはと麦は違うの?
A. 基本的には同じ植物ですが、用途が異なります。
– はと麦茶:炒ったはと麦を煮出して作る飲料。香ばしく、ノンカフェインで飲みやすい。
– 食用のはと麦:白米に混ぜて炊いたり、スープやサラダに加えて食べる。もちもちした食感が特徴。
Q. 下処理は必要?
A. 炊飯する場合は、軽く水洗いしてから30分〜1時間ほど浸水させると、ふっくら炊きあがります。
はと麦茶用に使う場合はそのまま煮出して大丈夫です。
Q. 保存方法は?
A. 未開封であれば常温保存可能ですが、開封後は湿気や酸化を防ぐために密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
長期保存したい場合は冷凍も可能で、数か月は品質を保てます。
まとめ
はと麦は、古くから日本や中国で食用・薬用の両面で活用されてきた雑穀です。
白く大粒の穀物で、もちもちとした食感と香ばしい風味が特徴。
雑穀米としてだけでなく、はと麦茶や薬膳料理にも利用され、美容や健康を支える食品として高い人気を誇ります。
栄養面では、たんぱく質・食物繊維・カリウム・マグネシウム が豊富で、白米よりも優れた栄養バランスを持ちます。
特に、肌荒れ改善やむくみ対策に役立つとされる点は、他の雑穀にはない大きな魅力です。
食べ方も幅広く、ご飯に混ぜて炊く、スープやサラダに加える、はと麦茶として楽しむなど、多様な取り入れ方ができます。
美容や健康を意識する方にとって、日常的に取り入れやすい万能雑穀といえるでしょう。
まずは、毎日のご飯に少し混ぜたり、香ばしいはと麦茶を試してみたりするところから始めてみてください。